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執筆したきっかけ
2021年は、太平洋戦争(大東亜戦争)開戦から80年という特別な年で12月8日はちょうど80年という節目の年です。2022年の2月末にはロシアがウクライナに侵攻(侵略)したことで改めて比較してしたいと考えて、本記事を執筆しました。ウクライナに攻めた理由等は錯綜している部分があるので、現時点(2022/03/18時点)では書き控えます。
太平洋戦争(大東亜戦争)が起きたきっかけ
太平洋戦争における直接のきっかけは、アメリカ政府によるハル・ノート開示により、これを宣戦布告と認識した日本政府がハワイ島の奇襲を指示しました。これを受けて、日本軍(海軍)がハワイの真珠湾攻撃を行ったことで日米両国が戦闘状態になりました。
この写真は、戦艦のウェストバージニアが炎上している時を写したものです。日米両国が戦争へと突き進んだ原因について筆者なりに考察したので次の章から書いていきます。
日米両国の考えられる原因
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日本側の原因
- 陸軍と海軍が互いの利益のために対立し、国益という概念で考えられなかった
- 日中戦争(支那事変)で無闇やたらに前線を拡大したことで欧米諸国の不満が溜まったことで、自らの首を締めてしまった→南進論(南インドシナ進駐)によって、米国の態度を硬化をさせてしまった
- 筆者が考える最大の要因は、日露戦争後の南満州鉄道株式会社の経営権を日本だけで独占してしまったこと
- 世界恐慌(昭和恐慌)の経済政策の失敗で、政党政治に不満が溜まり、いわゆる軍部によるいわば一発逆転の政策に期待していた(日本国民が)
- アメリカがどこで手打ちとするかなどの研究が足りなかったのではないか。
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総じていうと、下手に妥協すると民間人が暴動を起こして政権が倒れてしまう・下手をすると、ソ連のように共産化してしまうリスクもありました。
アメリカ側の原因
- 日本側の妥協案を飲まなかったこと(乙案・甲案を日本は示していた)→これまでの交渉過程を無視したハル・ノート提出
- 日本が軍事上の脅威に映り、中国の権益に食い込み、あわよくばその権益を独占したかった(マニフェスト・デスティニー 日本語訳明白なる運命)
- 石油資源や鉄資源など、日本が輸入に頼っていた天然資源を輸出規制を行ったことで戦争をせざる得ない状況に追い込んだこと
日本はなぜ敗戦したか
まず挙げられるのは、工業生産能力が異なっていたこと。これが兵器の量や質において圧倒的な差となって現地の部隊を苦しめました。そして、前線を一気に広げたことで補給物資が滞ることになり、餓死者や戦病死が増えることになりました。
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次に、どのように終戦まで導くか考えていなかったことが挙げられます。日露戦争では、当時は友好国だったアメリカに仲介してもらい講和にこぎつけることに成功し、勝利をもぎ取ることが出来ました。それは、政府・軍組織(陸海軍込)が同じ方向に向かって努力出来たからでした。しかし、この時陸軍は、ソ連・海軍はアメリカを仮想敵国として予算を取り合っていました。ドイツがヨーロッパ前線で勝利するという希望的観測でアメリカと開戦したことにより、講和をするきっかけが無いまま終戦を迎えました。
しかも終戦間際には、既にドイツと独ソ戦の形で戦っていたソ連に仲介を依頼するという愚行を犯しています。ソ連は連合国の一員として、東部戦線で戦っているのにも関わらず、受ける理由がないと考えられると想像できないのかと思ってしまいます。スイスやスウェーデンなどの中立国に講和を依頼するべきでした。交渉はしていたものの、上層部によって、握りつぶされています。
まとめ
筆者は日本が100%悪い・正しい、アメリカが100%悪い・正しいとは考えてはいません。重要なのは、なぜ戦争が起き、どのように終戦まで持っていくかを考える必要があると思います。そして、二度と同じ過ちを犯さないことこそ、戦火に散った日米の将兵・民間人の弔いになると思います。
いわゆるABCD包囲網が無ければ日本側は冷静な交渉が出来た可能性もあり、太平洋戦争も避けることも出来たかもしれません。また、日本側も、希望的観測だけではなくプランBのような最悪の事態を想定した戦略を考える必要があったのではないでしょうか。
アジア地域で欧米列強を放逐し、現地人に独立心を養う・軍事訓練を受けさせることによって、彼らに自信を持たせることが出来ました。戦後の独立戦争を戦い抜く基礎になったのは変わらないと思います。
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石油などの天然資源を日本が欲していたのには変わりありませんが。
参考資料
https://www.mskj.or.jp/report/2768.html
https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXZQOLM060PQ006122021000000?page=2
https://www.mskj.or.jp/report/2768.html
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c07307/
天皇の国史 竹田恒泰著
昭和史 渡部昇一著