武田勝頼は、無能か?

武田勝頼(1546年〜1582年)

 この時の絵は、家族(生妻・嫡男)が一同に描かれている当時としては相当珍しいそうです。



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結論

 凡庸な人物では無かったが、主な宿敵である織田・徳川等との国力差(経済力)が開きすぎていた。それと、彼の母方の実家が元敵対勢力(諏訪家)だったため、勝頼政権に不満に思う家臣が少なからずいて、織田信長などの強豪大名に対して一枚岩で対応出来なかったこと。→父の信玄の外交の失敗とも関連する。(甲相駿三国同盟崩壊後の外交は誰しも疑心暗鬼にあり二枚舌外交になってしまった部分もあるので一概に言えないが…。)

 内外の不運によって、大名家としての武田家を滅ぼしてしまったと筆者は考えている。

武田勝頼とは?

信濃への領国拡大を行った武田信玄の庶子として生まれ、諏訪氏を継ぎ高遠城主となる。武田氏の正嫡である武田義信が廃嫡されると継嗣となり、元亀4年(1573年)には信玄の死により家督を相続する。

強硬策を以て領国拡大方針を継承するが、天正3年(1575年)の長篠の戦いにおいて織田・徳川連合軍に敗退したことを契機に領国の動揺を招き、その後の上杉氏との甲越同盟、佐竹氏との甲佐同盟で領国の再建を図り、織田氏との甲江和与も模索し、甲斐本国では躑躅ヶ崎館より新府城への本拠地移転により領国維持を図るが、織田信長の侵攻である甲州征伐を受け、天正10年(1582年)3月11日、嫡男・信勝とともに天目山で自害した。これにより平安時代から続く戦国大名としての甲斐武田氏は滅亡した。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E7%94%B0%E5%8B%9D%E9%A0%BC

Wikipedia

武田勝頼より引用

根拠①

 武将として活躍

 父、信玄でも落とせなかった天神山城を落としたこと(厳密には、城を落とすにはそれなりの時間や消耗率等を計算して1日で撤退しているが。)、武田家の戦力圏を拡大させたこと(彼が最大版図を築いた)。初陣の時の箕輪城を攻めた時自ら敵将を討ったり、三方ヶ原の戦いの際にも将として活躍していること。


 

根拠②

 行政官として活躍

 積極的に商人を登用して、金山等からの収益による収入から脱却しようとしたこと。塩などの日用品の安定供給のために様々な施策を行った。また、職人衆として組織的に採用・使役を行った。裁判に関する文書から、フェアに裁判を行う人物だったこと。彼自身も教養が深く、様々な寺社仏閣の復興支援をしたこと。

まとめ

 歴史にIF(たられば)は禁物だが、あえて筆者が考える武田家が滅びない(?)方法を披露したいと思う。

武田家主導で天下統一を図る場合

  1.  上杉謙信と争わず、美濃攻めをする。その前に、斎藤家と婚姻関係を結ぶ。(義龍以外と。)上杉謙信と争う大義名分は、村上義清らが彼に頼ったからで、北信濃に向かわず、緩衝地帯として不可侵条約を結ぶ。
  2. その美濃攻めは、長良川の戦い時に行う。義龍は、娘の旦那を殺したという名目で道三に味方し、義龍軍を破る。その後、援軍に来た織田信長と美濃を3分割し、美濃においては互いに領土侵犯はしないと取り決め、道三の死後は、道三の孫を担ぎ上げて美濃を乗っ取る。
  3. その後、軍事圧力で織田信長を従わせ、上洛する。大義名分は、足利義輝の救援。
  4. 反義輝勢力を撃破しつつ、国内世論を足利家よりも武田家の方がいいのでは?といった方向に誘導する。(朝廷も含め)
  5. その後、義輝から征夷大将軍の位を取り上げて、武田家に任命させる。

織田信長に協力する場合(上洛戦なし)

  1. 上洛戦は行わず、勝頼に政権移行するために組織改革をする。親織田(あるいは中立)を徹底。
  2. 織田信長の天下統一事業を手伝う。
  3. 織田政権の幹部として、武田家を残すようにする。

 参考資料

https://www.inacity.jp/smph/kankojoho/rekishi_bijutsu/bunka_kanko/bunkazai/takatojyoseki.html

https://pleasure-bit.com/1676.html

https://bushoojapan.com/bushoo/2021/08/10/161024

武田勝頼 試される戦国大名の「器量」 丸山和洋著

「戦国大名」失敗の研究-政治力の差が明暗を分けた- 滝澤中著

-日本にかくれなき弓取-武田勝頼 笹本正治著

武田氏滅亡 平山優著

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  1. ピンバック: ガルパンで学ぶ歴史上の人物 | 大洗日記

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